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花咲【わら】う 被災地の櫻と復興

はなわらう


『花咲【わら】う 被災地の櫻と復興』

写真:  青柳健二
文:  玄侑宗久
廣済堂出版
定価:1,260円(税込)
発売日:2013年2月27日
20.6 x 14.8 x 0.8 cm
ISBN:978-4-331-51700-0

2013年3月10日 「岩手日報」書評欄
2013年3月18日発売号「週刊ポスト」新刊コーナー
2013年3月27日 「朝日新聞マリオン」情報欄
2013年3月29日 「毎日新聞」朝刊情報欄
2013年4月5日 「毎日RT」ARTコーナー
2013年4月10日発売5月号「ボイス」書評欄
2013年5月号 「キャノンフォトサークル/モーメンツ」今月の新刊
2013年5月13日号 「プレジデント」新刊紹介

2011年と2012年に東日本大震災の被災地の桜と復興に向かう人々を撮影した写真集。作家、玄侑宗久氏の「東北と櫻」を掲載。

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私の実家は山形県で大きな被害はなかったが、大震災の前から何度も東北を撮影していたこともあって大きなショックを受けた。

2011年4月中旬、石巻市で被災ペットのボランティアをやったあと、日和山公園に上った。それまでもテレビで目にしていたが、自分の目で見た被災地の衝撃は大きなものだった。

桜の明るさが目に痛いほどだった。そうか、今は桜の季節だったのかと気が付いた。

「すごいですね。桜、やっぱり満開ですね」と声をかけられた。自宅が津波で流されて避難所で暮らしている人だった。携帯で桜の写真を撮りながら、「あの瓦礫は過去、こっちの桜は未来かな。今がどん底ですが、必ず復興できます」といった。

私は宮城県から岩手県へと海岸線を北上しながら、桜の写真を撮り始めた。瓦礫に立つ桜、根こそぎ倒されても咲く桜、折れた幹に芽吹く花。そして石巻市雄勝町や陸前高田市では、津波に流され、陥没した海岸で咲く桜の姿に衝撃を受けた。桜が冷たい海水の中で花を咲かせていたのだ。福島県飯舘村や浪江町では人っ子一人いないところで桜だけは満開だった。

私は今まで、人並みに花見をする程度で、桜を写真に撮りたいと思ったこともなかった。しかし各地でけんめいに生きている桜という「命の木」に、初めて美しさを感じたのだ。また「津波や放射能になんか負けるもんか」と言っているような桜が被災者の姿とだぶって見えた。復興へ取り組む1年間を桜を通して記録すること。それが私にできることだと確信した。

2012年4月、再び被災地を訪ねた。桜の周りの瓦礫が取り除かれたところもあるが、復興は進んでいないように見えた。とくに福島県の被災地は何も変わっていなかった。

そんな中でも2年ぶりの花見を楽しんでいる人々に出会った。1年経って気持ちに少し余裕が出てきたのだろう。これほどまでに待ち焦がれた花見を今まで見たことがない。咲【わら】う桜が人々を元気にすることを知った。

石巻市の波板海岸に、新しく桜の苗木を植えた人がいる。桜並木を復活させたいのだという。

この木がいつか満開の花を咲かせ、「このときの桜」が思い出になり、笑って花見ができる日が来ることを願ってやまない。その花見にはぜひ、私も参加させてもらいたいと思っている。

写真家 青柳健二

 

 

写真集『花咲(わら)う 被災地の櫻と復興』のPV(YouTube)


 

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青柳健二写真展「花咲(わら)う」
被災桜を見に行って、東北を応援しようというささやかなプロジェクト
 
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